何見てるの?

日々見ている興味を抱いたものを書き記したブログです。

音楽が好きなのはいつからだっただろうか。

結局のところ音楽が好きなのであり。

退職して療養中に、今まで自分の興味の範疇から排除して手放してしまっていた音楽をまた摂取しようと思い、ライブに出向くのは体力的に無理があるのでWeb配信を見るようになった。
コロナ渦によって多くのライブが中止になり、なおさらWeb配信がかなりの数が開催された春から初夏だった。

Web配信ライブの情報は、Twitterでフォローしていたアカウントから得たものであるが、高野寛さんと緒川たまきさんのコンビはなつかしくてこれは見なくてはと配信をわくわくしながら待った。
個性豊かなゲストのライブとアートとのコラボレーションが表情豊かで見ていてとても楽しかった。

だけど涙を浮かべながら配信を見ていたのは、トクマルシューゴさんのTonofon fesのリモート開催だった。
正直トクマルシューゴさんは知らないアーティストだったのだけど…
一体何にそんなに感動したのかというと、オーケストラの音色を浴びる幸福感を思い出させてくれたことだった。

音楽体験を思い出す

休日はクラシックのレコードがかかる実家だったので、音楽は日常の一部であり、自分もピアノを習っていた。歌が好きで小学校では合唱をしていたし、そのまま音楽に重きをおく高校で声楽の基本の基を学びつつ毎年ホールでクリスマス礼拝をオーケストラと共におくり(そんな学校だとは知らなかった)、大学ではバント活動をしていた。
だが働き出してからは音楽にこだわるのをやめた。そんな時間も余裕もすっかりなくなったのだ。

でも退職して初めて仕事以外のことを考えてもいい自由な時間を得て、少しずつなかったことにしていたことを思い出すようになったタイミングでのWeb配信だった。

楽器の種類も音色も正解などなくて、重なりあっていく楽曲の完成形を想像しながら耳で様々な音を拾ってはその展開にわくわくする、その幸せな感覚が嬉しくて泣いてしまったのだ。

私はアーティストの名前を覚えるのが苦手だし(あまり覚えようとしていないのかもしれないが)、浴びるほどの多種多様な音色のある音楽はそれだけで一つの音楽の塊で、それがアーティスト個々人に属しているものとして認識していない。
それはその場で出来た完成形なのであって、別の機会でまた同じメンバーでおんなじ楽曲を演奏してもそれはまた別物だ。

本当に音楽は簡単に時空を飛び越え記憶を呼び起こすから、それだけでも幸せだなと思う。